仙腸関節」タグアーカイブ

育児と腰痛(後編)

こんにちは、AKA-博田法指導医の住田憲祐です。

前半では、”腰痛ママ”の実態調査から、多くの母親が腰痛に悩んでいることがわかりました。

後半では、どのような腰痛対策をしているかをお話し致します。

2016年11月、第一三共ヘルスケア株式会社が0〜1歳児をもつ女性1032人に調査した『”腰痛ママ”実態調査』によると以下の通りです。

①腰痛対策はストレッチや家族のマッサージ頼み
②”腰痛ママ”の75%が腰痛予防をしていなかったことを後悔している
③腰痛の不安は子育て期間だけでなく、将来も続くと感じている
④8割以上の”腰痛ママ”が腰痛と筋肉の関係性を知っている
⑤”腰痛ママ”は出産前後の”筋肉の回復ケア”が不十分

多くの方が腰痛と筋肉が関係していて、マッサージやストレッチ等のケアの必要性を感じているようです。

AKA-博田法では、腰痛の多くが腰の筋肉の異常な収縮(緊張)を痛みとして感じていると考えます。

筋肉の状態が痛みと関係しているという点では多くの方の認識と同じですが、その原因が仙腸関節にあると考えるのがAKA-博田法の特徴です。

つまり、筋肉に痛みを発症するのは仙腸関節に異常がある為というわけです。

育児には仙腸関節へ負担がかかる動作が多々あります。また、赤ちゃんが大きくなるのに伴い仙腸関節への負担は増します。

例えば赤ちゃんを抱き上げる時は、中腰になって起こします。
中腰姿勢は仙腸関節が不安定な状態です。
その状態で力が加わるため、機能障害(関節の動きが悪くなる)を起こすのです。
しかも、育児に追われていると。なかなか治療を受ける余裕がありません。

「子育てをしているのだから仕方ない」と我慢して慢性化する方もいらっしゃいます。

赤ちゃんが抱っこが不要になる迄は、治療で良くなっても痛みが再発することがあります。
しかし、定期的に治療することで、痛みを少ない状態に押さえ込むことが期待出来ます。

AKA-博田法の治療頻度は月に1〜2回です。
忙しい方でも比較的受診しやすい頻度です。
しかも、痛みの根本から治療する為、効果も期待できます。

“腰痛ママ”の実態調査によると、母親の腰痛が家族全体に影響することがわかります。

私もしっかりと治療して皆様の育児に協力できるように頑張りたいと思います。

記事執筆責任者-AKA-博田法指導医住田憲祐(医師)

https://sugamo-ekimae-cl.com/blog/wp-admin/post.php?post=350&action=edit#site-title-pseudo-link

育児と腰痛(前編)

こんにちはAKA-博田法指導医の住田憲祐です。

妊娠出産に伴う腰痛はよく知られています。

第一三共ヘルスケア株式会社が2016年10月に、全国の0〜2歳の子供をもつ女性4978人に実施した「子育てママの全国実態調査」によると、

0歳児の母親では実に4人に3人が腰痛に悩んでいるようです。

「ママの体調は妊娠中よりも産後の方が大変」と答えた方が58%でした。出産前にはなくて出産後発症した不調は以下の通りです。

 第1位:腰痛
 第2位:骨盤周りのトラブル
 第3位:肩こり・首の痛み
              

不調の上位3症状と仙腸関節の関係を見てみると、第1位の腰痛はもちろん、臀部や股関節などの骨盤周りの症状や、頸肩の痛みやコリなど仙腸関節が原因の可能性がある症状が上位を占めています。

つまり、多くの産後の症状に仙腸関節の異常が関係していると考えられます。

また、腰痛は母親としての自信等、精神面にも影響しているようです。

同社が2016年11月、 0〜1歳児をもつ女性1032人に行った調査では、

・腰痛がママの気持ち迄ネガティブにしてしまう
・腰痛を感じるのは「育児をしている時」が90%でトップ
・腰痛のせいで子供と遊ぶのが億劫になるママは60%以上
                         となっています。

このように、腰痛は育児期の母親にとって大きな問題でもあるのです。

次回は育児期の腰痛治療についてお話し致します。

記事執筆責任者-AKA-博田法指導医住田憲祐(医師)

https://sugamo-ekimae-cl.com/blog/wp-admin/post.php?post=350&action=edit#site-title-pseudo-link

春におこる不調について

こんにちはAKA-博田法指導医の住田憲祐です。

日が長くなり、暖かい日が増えてきましたね。

木々は芽吹き、花が咲きます。

春は明るいイメージを持つ方も多いでしょう。

しかし、一方で、天候が目まぐるしく変わる季節ともいえます。
前日との気温差が10度近くになる日もあります。

また、新年度になり環境が変わった方がもいらっしゃるでしょう。

この様な変化の時期は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、自律神経がやや不安定になる方がいらっしゃいます。

そして、この自律神経の乱れが関節の炎症に影響することがあるのです。

暖かく心地よい天気の時に比べて、雨で寒い天気の時の方が不調を訴える方が多いのも、自律神経が関係している可能性があります。

また、仙腸関節の状態が悪くなっても自律神経系に悪影響を及ぼすことがあります。

寒くて不調を感じる時は、お風呂等でよく温まり、休息を多めに取るように意識してみて下さい。

そして、急に痛みやシビレが悪化した場合は、早めに受診してください。

記事執筆責任者-AKA-博田法指導医住田憲祐(医師)

https://sugamo-ekimae-cl.com/blog/wp-admin/post.php?post=350&action=edit#site-title-pseudo-link

年末年始のご注意

こんにちは、AKA-博田法指導医の住田憲祐です。

年の瀬は月日の経つ早さを痛感する時期ですね。

望クリニックもお休みのため、今回は年末年始の注意点についてお話し致します。

帰省や旅行、来客、大掃除等で普段と異なる生活リズムになる方もいらっしゃるでしょう。

重労働でなくても、普段と違う労働や運動が時に痛みのきっかけとなります。
無理をし過ぎないようにご注意下さい。

車でお出掛けの場合は、こまめにサービスエリアに立ち寄るなどして、長時間の同じ姿勢を避けるようにして下さい。
新幹線であれば、安全を確保した上で、車内を少し歩くのも良いでしょう。

その際には前後屈の体操(イラスト)も行って下さい。

痛みやシビレには寒さも影響するので、寒さ対策もお忘れなく。

万一症状が悪化した場合には、安静の他、お風呂やカイロで温めることで対応し、年明けに早めにクリニックへ受診して下さい。

《最も安静な姿勢》

※横向きの場合:左右で症状の強い側を上にして寝る



※仰向けの場合:膝の下にタオル等を入れる


(仙腸関節以外の原因が疑われる場合は、適宜医療機関へ受診してください)。



今年も一年ありがとうございました。

来年が皆様にとってより良い年になりますように!


記事執筆責任者-AKA-博田法指導医住田憲祐(医師)

つらい方必見!AKA-博田法指導医「住田憲祐」による痛みやしびれ、コリの解説ブログ

対症療法と根本療法


こんにちは、AKA-博田法指導医の住田憲祐です。

整形外科の痛みやシビレの治療には、対処療法と根本療法があります。

対症療法とは痛みやシビレの原因はともかく、その症状を抑える方法です。例えば、鎮痛剤、湿布、マッサージ等の筋肉に対する治療法がそうです。

これに対して、根本療法とは症状の原因に対する治療法です。手術、AKA-博田法などがそうです。

治療をしなくても痛みやシビレが治ってしまうことがあるように、対症療法で良くなる方もいらっしゃいます。
対症療法には対症療法としての意味があります。
例えば、AKA-博田法で治療している期間に痛み止めのお薬を飲んでも良いの?というご質問があります。痛み止めも対症療法の1つですね。

当院では「痛みが我慢できない場合はお飲み下さい」とお伝えしています。

しかし、鎮痛剤で一時的に症状が鎮まっても、根本から治っているわけではありません。薬の効果が切れると症状は再発してしまいます。

また、一時的に痛みやシビレが鎮まったからといって運動量が増えると、根本原因である仙腸関節への負担は増し、かえって悪化する可能性もあります。

痛み止めを飲んで楽になっても、出来る範囲で安静を心掛けてください。

そして、対処療法が要らなくなるために、根本から治療することはお忘れなく。

いわゆる古傷の痛みについて

こんにちは、AKA‐博田法指導医の住田憲祐です。

少し肌寒さを感じる日が出てきました。
患者さんも冷えを訴える方が少しずつ増えてきています。

寒くなると、以前怪我した部位が痛む方がいらっしゃいます。

ご本人はその時ちゃんと治さなかったから?と考えがちです。
なかには、まだちゃんと治っていないのでは?と考える方もいらっしゃいます。

痛みの原因は仙腸関節のことも

望クリニックには、仙腸関節の調子が悪くなると、子供の頃に骨折した右手首が痛くなるスタッフがいます。骨折したのは子供の頃なので、骨折自体は治っています。

そんな時に、仙腸関節やその痛みの部位に関係する関節を治療すると、右手首を触れなくても痛みが良くなることがあります。

つまり、古傷の痛みのなかに仙腸関節が根本原因のものがあるのです

一般的な整形外科でこの様に考えることはまずありません。
治療している私達も、なぜ古傷の痛みが仙腸関節の治療で良くなるのかは、よく分かっておりません。

ただ、日々の診療で患者さんの痛みの1つに古傷の痛みが含まれていることがあり、
AKA‐博田法で仙腸関節を治療すると、良くなることを経験してきました。

ちょっと不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。

人体にはまだ分からないことがありますね。

こんな場合は仙腸関節が原因でないことも

こんにちは、AKA‐博田法指導医の住田憲祐です。

私達のクリニックには整形外科の痛みや痺れにお困りの方がたくさんいらしています。
そして、その多くは仙腸関節が原因であり、AKA-博田法の治療の適応となります。

 正しい診断と正しい治療が重要 

しかし、なかにはAKA-博田法では良くならない場合もあります。それは痛みやシビレの原因が仙腸関節ではない他の原因の場合です。

AKA-博田法は魔法ではありません。医療として確立された治療法です。当院では、治療と同時にその症状の原因を見極める「診断」を重視しています。

例えば、患者さんが前に受診した病院で、脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアと診断されたとします。その様な方をAKA-博田法の視点で見てみると、痛みや痺れの本当の原因は仙腸関節の機能障害というケースが多々あります。

しかし、少数ですが本当に狭窄症やヘルニアが原因の場合もあります。この場合、MRI検査や手術をオススメすることがあります。


 
こんな場合は仙腸関節以外の原因も 

仙腸関節以外の原因を考えるのは以下のような場合です。

・一定期間AKA-博田法で治療しても、症状が全く変化しない場合(←コレ大事です)

・手もしくは足がブラブラになって力が入らない場合(痛みで力が入らないのではなく、痛みと無関係に力が入らない)

・痺れを訴える部位の触れた感覚が無い場合。

・排尿、排便の異常がある場合。

痛みや痺れのなかには、整形外科だけでなく、内科や心療内科の疾患が原因のものもあります。
しっかり治すためには、何が本当の原因かを見極める必要があります。


仙腸関節以外の原因が考えられる場合、当院では症状により適切な病院を紹介しております。

何故腰痛1つに様々な治療法があるのか?

こんにちは、望クリニック副院長・兼スガモ駅前整形外科院長 AKA-博田法指導医の住田憲祐です。

腰痛は国民病ともいわれ、悩んでいる方の多い病気の筆頭です。

世間には、腰痛という1つの病気に対し、たくさんの治療方法があります。

しかも、それぞれの方法で良くなっている方がいらっしゃいます。

何が正しい治療なのか? 

整形外科、整骨院、鍼灸、マッサージ、整体等々どこへ受診するかも様々です。

いろいろあり過ぎて、何処へ行って良いのかわからないという方もいらっしゃるようです。

腰痛はどの部分を問題と考えるかで、治療方法が異なります。

例えば、一般的な整形外科では、痛みや痺れは神経が障害されて起こると考えます。

そのため、鎮痛剤や神経ブロック、それでも改善しないと手術を勧めることがあります。

手術をすることで、神経への障害を取り除こうという考えです。

これに対して筋肉を治療することで改善を試みるのが、マッサージや指圧等です。

鍼灸治療はその効果が未解明の部分もありますが、その効果から、筋肉が緩んだり自律神経を安定させる効果があると思われます。

また、カイロプラグティックや整体については、骨格や椎間板の異常を問題視して治療することが多いようです。

いずれの治療でも患者さんが良くなればそれで良いでしょう。

問題は良くならない場合です。この場合、他の原因を考える必要があります。

 関節の治療 

望クリニックでは、筋肉の異常な収縮を痛みや痺れと感じているケースが多く、その異常な筋肉の収縮を引き起こす原因が関節にあると考えています。

(関節について詳しくはコチラ:関節機能障害について | 望クリニック (ameblo.jp)

そのため、治療対象は関節です(特に骨盤にある仙腸関節の機能障害は腰痛の根本原因になると考えています)。

関節の中の微細な動き(これを関節包内運動という)が異常を起こしている状態を関節機能障害と言い、この動きを滑らかにするのがAKA-博田法です。

関節を1つ1つ丁寧に治療していくため、「たくさんある関節のうち、どの関節の機能障害が痛みやシビレの原因であったか?」がわかります。

この点がAKA‐博田法の大きな特徴です。

神経や筋肉、骨や椎間板に対する治療で良くなっていない方は、関節の治療も試してみるとよいでしょう。