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痺れについて

こんにちは、望クリニック副院長・AKA-博田法指導医の住田憲祐です。

今回は痺れについてお話し致します。

      「ビリビリ」「ピリピリ」

      「ジリジリ」「ジンジン」

      「ちょっと感覚が鈍い」

      「皮膚が厚ぼったい感じ」

                        等々

痺れの症状は、患者さんによりその感じ方や表現の仕方は異なります。

整形外科の医師も、痺れは神経が障害されて起こると考えがちです。

痺れの表現の仕方がいかにも神経に障っている感じがするのも、そう思わせるのかも知れません。

痛みでは病院へ行かない患者さんも、痺れが出ると不安になり病院へ行くようです。

痺れで診断される主な整形外科の病気は以下の通りです。

<上半身>

変形性頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、胸郭出口症候群、頸肩腕症候群、肘部管症候群、手根管症候群、等。

<下半身>

腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症・すべり症、変形性腰椎症、坐骨神経痛、モートン病、等。

しかし、これらの病名と診断された痺れは、本当に神経の障害なのか?というと必ずしもそうではありません。

AKA-博田法を専門に行っている望クリニックでは、これらの整形外科疾患の痺れの原因を、更に以下の2つにわけて考えます。

①背骨や椎間板、靭帯などの異常により本当に神経を障害しているもの

②仙腸関節を始めとする関節の機能障害によるもの

(※少数ですが、①②以外に血流の問題や自律神経の失調、精神的な要因で痺れを訴える方もいらっしゃいます)

一般的な整形外科では、レントゲンやMRI等の検査で「異常」が見つかると、その部分を治療します。

例えば、手術やブロック注射がそうです。

たしかにそれで良くなれば、①の神経の障害が原因であると言えると思います。

しかし、問題は手術をしてもよくなっていない方や、手術が必要と言われた方、あるいは「異常」はないと言われた方です。

その様な方の中には、②の仙腸関節をはじめとする関節の機能障害によるものが原因である方が少なくありません。

関節の機能障害を診断するために、AKA-博田法は良い方法です。

治療は手足の痺れに対しても、骨盤にある仙腸関節から行います。

仙腸関節の機能障害を正すと、首や腰は勿論、手足の痺れが良くなることは多いのです。

良くなった痺れは、MRIの異常に関わらず②が原因です。

特に痺れが手足の場合、その原因が仙腸関節の機能障害と言っても、患者さんはなかなかピンと来ません。

一般的な考え方とは大きく違うのに加え、骨盤にある仙腸関節と手足のシビレに関係があるとは思わないためです。

しかし、実際に仙腸関節を治療してみると良くなることは多いのです。

手術が必要と言われた痺れがAKA-博田法で良くなれば、その痺れは仙腸関節の機能障害が原因です。

この場合、手術をしても痺れは良くなりません。

逆に、AKA-博田法で治療しても良くならない場合は①が原因の可能性があります。

その場合、再度精密検査や手術ををお勧めしております。

痺れは神経が原因と診断された方、

手術を考えている方、

手術をしたけれども痺れは良くなっていない方、

AKA-博田法で痺れの原因について、再診断してみるのも良いのではないでしょうか。

脊柱管狭窄症について

こんにちは、望クリニック副院長・AKA‐博田法指導医の住田憲祐です。

今回は脊柱管狭窄症についてお話し致します。

脊柱管狭窄症は脊柱管という脊髄神経の通る部分が狭くなり、なかの神経や血管を圧迫することで様々な症状を引き起こす病気です。

老化による椎間板や靭帯の変性、肥厚(分厚くなっている状態)により、神経の通り道が狭くなるため起こります。

なかでも腰の部分で起こる腰部脊柱管狭窄症は腰痛の原因として知られています。

症状は足腰の痛みや痺れのほか、しばらく歩くと痛みや痺れが発症し、少し休むと回復するという間欠性跛行もこの病気の特徴です。

MRIを見ると神経の通り道が狭くなっています。

現在、当院の患者さんで最も多いのが、脊柱管狭窄症と診断された方です。

なかには、手術を勧められたり、すでに手術を受けている方もいらっしゃいます。

そのような患者さんに対して、望クリニックでは、一般的な整形外科とは異なる視点で治療しています。

先ず、脊柱管狭窄症と診断された患者さんは、「その痛みや痺れが本当に狭窄によるものなのか?」という点から診ていきます。

「MRIで狭窄があるのは分かっているのに、どう言う意味…?」 と疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。

詳しく説明致します。

脊柱管狭窄症と言われた患者さんは、MRIを見て診断されています。

神経の通り道は狭くなっていますし、医師からはそれが問題であると説明されています。

そのため、患者さんは狭窄が痛みや痺れの原因だと信じるのは当然です。

しかし、私は必ずしもその様には考えません。MRIで狭窄が痛みや痺れの原因と判断するのは不十分だからです。

ここで、MRIについて患者さんがあまりご存知ない事実をお伝えします。

① 脊柱管が狭窄していても、痛みや痺れがない方はたくさんいます。 (←コレ重要です!)

② 狭窄症のような痛みや痺れがあっても、MRIを見ると異常が見つからないことがあります。

③ 手術で狭窄しているところを拡げても、痛みや痺れは良くなっていないケースがあります。

つまり、MRIに写る狭窄と痛みや痺れは一致しないことが多く、仮にMRIで狭窄が写ったり、症状と一致したりしても、それが痛みや痺れの原因とは言い切れないのです。

では、狭窄症でなければ痛みや痺れの本当の原因は何か?

一般的な整形外科ではあまり知られていませんが、脊柱管狭窄症と同じような症状を発症する病気に、関節機能障害という病気があります。

(*関節機能障害については、7月9日のブログをご覧下さい。)

私は脊柱管狭窄症が原因と診断された患者さんのなかに、実は関節機能障害が本当の原因の方が数多く含まれていると考えています。

MRIを見て脊柱管狭窄症と診断された方でも、関節機能障害を治療すると痛みや痺れが良くなる患者さんが数多くいらっしゃるためです。

関節機能障害を治療して、脊柱管が広がることはありません。それでも痛みや痺れが良くなった場合、脊柱管の狭窄はそのままなので、狭窄は痛みや痺れの原因では無かったということになります。

例えば下のMRIをご覧ください

            

この方は、足腰の痛みや痺れがあり前医では脊柱管狭窄症と診断されました。

左側のMRIは当院で関節機能障害を治療する前のものです。そして右側は関節機能障害を治療して痛みがよくなった後のものです。

よくなった後も、脊柱管は狭いままであることがお分かり頂けるでしょう。

つまり、痛みの原因は脊柱管の狭窄ではなく、関節機能障害であったのです。

関節機能障害が原因であれば、手術で狭い脊柱管を拡げても、痛みや痺れはよくなりません。

なぜなら、狭窄が原因ではないからです。

このように、脊柱管狭窄症と診断されても、関節機能障害を治療してみないと狭窄が原因か?それとも関節機能障害が原因か?が分からないのです。

では、なぜ整形外科では脊柱管狭窄症と診断するのでしょう?

それは、一般的な整形外科医に関節機能障害という病気が広く知られていないためです。

レントゲンやMRIは目で見て理解できる一方、関節機能障害は見ても分かりません。訓練した者が手先の感覚でのみで把握できるため、なかなか多くの方には伝わりにくいこともあるでしょう。

また、診断には関節機能障害を治療することが必要です。しかし、一般的な整形外科にはその手段がありません。

そのため、関節機能障害に該当する患者さんも脊柱管狭窄症と診断されています。

治療は診断に基づいて行われます。診断を誤ると治療は的外れになり、良くなることは期待できません。

前医で脊柱管狭窄症と診断された方の場合、関節機能障害との鑑別は重要です。

そして、本当に脊柱管の狭窄が原因か?関節機能障害が原因か?を見極めたうえで、それぞれに対して治療する必要があるでしょう。

望クリニックでは痛みや痺れの診断も兼ねて、関節機能障害を治療するAKA-博田法を行なっています。

AKA-博田法で一定期間治療することで症状が改善すれば、MRIに写る脊柱管の狭窄とは関係なく、その症状は関節機能障害が原因です。

            

私の経験では、脊柱管狭窄症と診断される足腰の痛みや痺れのなかで最も多いのは、狭窄によるものではなく、関節機能障害によるものです。

特に、以下のような傾向がある場合は関節機能障害が疑われます。

・症状の程度や部位が日時により変わる。

・疲れると症状が酷くなる。

・風呂などで温めると緩和する。


狭窄症と診断され手術を勧められている方へ:その痛みや痺れの原因は関節機能障害が原因の可能性があります。手術の前にAKA-博田法を受診することをオススメいたします。AKA-博田法で良くなり、手術をせずに済むことが多々あります。

狭窄症の手術をしたけど、良くなっていない方へ:手術をしても良くならないと、他に何をすべきか分からずにあきらめてしまう方もいらっしゃいます。

しかし、手術をしても良くならない場合、痛みや痺れの原因は狭窄ではなく、関節機能障害であった可能性があります。

AKA-博田法を受診してみると良いでしょう。

★まれに、AKA‐博田法で関節機能障害を治療しても痛みや痺れが改善しない方がいらっしゃいます。この場合、関節機能障害が原因ではなく、本当に脊柱管の狭窄が原因の可能性があります。この場合、当院では手術も視野に入れ、手術実績の豊富な病院を紹介するようにしております。

★特に排尿障害がある場合は、AKA-博田法ではなく手術が適応なことがあります。

★You Tube関連動画

(1) 【腰部脊柱管狭窄症】腰部脊柱管狭窄症と整形外科で診断された50歳代女性の場合 – YouTube

(2) 【腰部脊柱管狭窄症】腰部脊柱管狭窄症と整形外科で診断された70歳代女性の場合 – YouTube

著書『腰痛ドック』が出版されました。

こんにちは、望クリニック副院長・AKA-博田法指導医住田憲祐です。

本が西村書店さんより出版されます。

題名は『腰痛ドック』です。

この本は、副院長住田憲祐が、日刊スポーツで2016年12月から2017年3月にかけて監修した。『その痛み、治すのは整形内科医』のコラムを元に私と私の父住田憲是が加筆修正を加えたものです。

この『腰痛ドック』は、どのような方に対する本かと言いますと、

一度整形外科に受診したことがある方、手術を検討している、また手術を一度したがあまりよくならなかった。このような経験をお持ちの方に是非読んでいただきたい内容になっております。

おおまかな内容は、整形外科や色々な民間療法を行っても、なぜ腰痛が治らないのか。

整形外科でのレントゲンや、MRI等の画像検査では、原因をつきとめられる腰痛は実はほとんどなく、整形外科で診断できない腰痛の原因として『仙腸関節の機能障害』があること。

仙腸関節の関節機能障害の診断、治療の方法である、AKA-博田法の紹介

実際にAKA-博田法を受けた患者さんの紹介

特に腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアの手術を検討している方は、手術をする前にこの部分だけでも一度読んでいただけたらと思います。

また、骨盤にある仙腸関節の動きの視点からみた、セルフケアの方法についても書いています。筋トレやストレッチをすることは、腰痛を改善するどころか悪化させることがあります。

仙腸関節の機能障害のセルフケアについて書いてある書籍はほとんどありませんので参考になると思います。

現在整形外科では、腰痛の85%以上は非特異性腰痛と言われ、原因がわかっていません。運よく、腰痛の治療がうまくいった方はよいのですが、上手くいっていない方は自分の腰痛の原因にあった、治療を探さなければいけない現状にあります。

この腰痛ドックで仙腸関節について知識を深めていただき、なかなか治らない腰痛を良くする糸口となれば幸いです。

以上、望クリニック住田憲祐でした。

腰痛は、診断と治療があってないと治らない

何を当たり前の事を言っているんだ、当然じゃないかと思われるのでないでしょうか・・

でも、その当たり前が整形外科的な痛みやしびれの場合、本当に難しいのです。

その理由が前回のブログで書かさせていただいた。

関節の機能障害と神経の障害によって起こる症状が似ているからになります。

例えば、お腹が痛いときは、内科で診断を受けます。

原因が胃炎なら胃薬を処方されますし、虫垂炎なら手術を受けます。

当たり前ですが、胃炎で虫垂炎の手術を受けたり、虫垂炎で胃薬を服用しても良くなりません。

それと同じように、腰痛の場合も

腰部脊柱管狭窄症の様な神経の障害が原因→治療は神経障害に対するもの、例えば手術

仙腸関節の関節機能障害が原因→治療は関節に対するもの、例えばAKA-博田法

ということになります。仙腸関節の機能障害に脊柱管狭窄症の手術をしても良くなることはないし、腰部脊柱管狭窄症にAKA-博田法をしても良くなることはないのです。

何が言いたいかと言いますと、

痛みとしびれの原因が関節の機能障害と神経の障害では治療が違う。その為、治療を受けているのになかなか良くならない場合は診断と治療があっていない可能性があるという事です。

前回のブログで、腰の手術をしたのに良くならなかった、いくつも整形外科をいって治らなかったのに、AKA-博田法をして良くなった患者さんの事を書きました。

表にあらわしますと、以下のようになります。

腰痛の原因治療
神経の障害、例えば  『脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、 すべり症等』手術で神経の障害が起きている部位を治療する
関節の機能障害、例えば 『仙腸関節の機能障害』AKA-博田法で関節の機能障害が起きている部位を治療する

この患者さんは、『痛みの原因が、関節の機能障害が痛みの原因であったのに、神経の障害に対する治療である手術を受けた為、残念ながら治らなかった』という事になります。

腰の手術をしたのに痛みやしびれがよくならなかったという方にはこのようなケースが私の経験上多いと感じております。

では何故、このような事が起きてしまうのでしょうか。

それにも理由があるのです。