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間欠性跛行について

こんにちは、望クリニック副院長・AKA-博田法指導医の住田憲祐です。

みなさんは間欠性跛行という症状をご存知ですか?

歩くと足腰に痛みや痺れが起こり、少し休憩すると回復してまた歩ける。歩行時にこれを繰り返すという症状を間欠性跛行といいます。

整形外科の病気では、腰部脊柱管狭窄症(以下、狭窄症)や腰椎スベリ症(以下、スベリ症)で見られる症状です。

間欠性跛行は、1度に歩ける距離に個人差があります。
10m位で痛みや痺れを感じる方から20分位までなら大丈夫な方まで様々です。
また、1回に休む時間も、1度前屈みになれば回復する方から数分の休憩が必要な方までいらっしゃいます。

一般的な整形外科では、間欠性跛行があり、MRIで脊柱管が狭くなっていると狭窄症、腰椎がズレているとスベリ症と診断されます。

狭窄症は老化により背骨の神経の通り道が狭くなり、神経を圧迫する病気です。

スベリ症は何らかの原因により腰椎がズレてその中を通る神経を圧迫する病気です。

どちらも神経が障害されて痛みや痺れを感じていると考えられています。

整形外科へ行くと、最初のうちは症状を抑えるための薬が出されます。
それで改善すればよいのですが、良くならないと最終的には手術をすすめられることがあります。狭窄症では狭くなった脊柱管を広げ、スベリ症であればズレた腰椎を元の位置に戻します。

しかし、その前に重要なのは、本当に神経が障害されていることが原因か?ということです。

間欠性跛行は狭窄症やスベリ症の特徴的な症状とされているため、MRIで神経が圧迫された様に写ると、そのように診断されることがあります。
しかし、無症状でもMRIを撮ると狭窄していたり、腰椎がすべっている方はたくさんいらっしゃいます。

このことから、私は間欠性跛行の原因は、主に以下の2つがあると考えています。
①狭窄症やスベリ症のような神経の障害によるもの  

②仙腸関節の機能障害によるもの

                               
しかし、②の関節機能障害という考え方はまだ新しい考え方で、整形外科の医師でも知らない方が多数います。
そのため、本当は②関節機能障害が原因のものも、①の神経の障害として手術してしまうことがあります。

もし、間欠性跛行の原因が関節機能障害の場合、手術で脊柱管を広げたり、腰椎のズレを治しても良くなりません。

私は①か②の見極めにAKA-博田法を受診することをおすすめします。
なぜなら、間欠性跛行に悩む患者さんの原因は①よりも②の方の方がずっと多いためです。

そして、AKA-博田法で症状が楽になれば、その間欠性跛行は関節機能障害が原因です。
この場合、AKA-博田法で治療を続けると、さらに良くなることが期待出来ます。

しかし、一定期間AKA-博田法で治療しても間欠性跛行が改善しない場合は、狭窄症やすべり症が原因となっている可能性があるため、手術等の治療をおすすめします。
望クリニックでも、年間で数人程度、手術や再検査をおすすめすることがあります。

間欠性跛行があり、狭窄症やすべり症と診断され手術をすすめられても、手術の前にAKA-博田法で再診断すると良いでしょう。

最後に、間欠性跛行があり、①と診断されて手術をしても良くならなかった方の場合、間欠性跛行は②関節機能障害が原因であった可能性があります。

「手術で治らなかったから…」とあきらめるのではなく、AKA‐博田法で再診断してみるのもいいではないでしょうか。

脊柱管狭窄症について

こんにちは、望クリニック副院長・AKA‐博田法指導医の住田憲祐です。

今回は脊柱管狭窄症についてお話し致します。

脊柱管狭窄症は脊柱管という脊髄神経の通る部分が狭くなり、なかの神経や血管を圧迫することで様々な症状を引き起こす病気です。

老化による椎間板や靭帯の変性、肥厚(分厚くなっている状態)により、神経の通り道が狭くなるため起こります。

なかでも腰の部分で起こる腰部脊柱管狭窄症は腰痛の原因として知られています。

症状は足腰の痛みや痺れのほか、しばらく歩くと痛みや痺れが発症し、少し休むと回復するという間欠性跛行もこの病気の特徴です。

MRIを見ると神経の通り道が狭くなっています。

現在、当院の患者さんで最も多いのが、脊柱管狭窄症と診断された方です。

なかには、手術を勧められたり、すでに手術を受けている方もいらっしゃいます。

そのような患者さんに対して、望クリニックでは、一般的な整形外科とは異なる視点で治療しています。

先ず、脊柱管狭窄症と診断された患者さんは、「その痛みや痺れが本当に狭窄によるものなのか?」という点から診ていきます。

「MRIで狭窄があるのは分かっているのに、どう言う意味…?」 と疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。

詳しく説明致します。

脊柱管狭窄症と言われた患者さんは、MRIを見て診断されています。

神経の通り道は狭くなっていますし、医師からはそれが問題であると説明されています。

そのため、患者さんは狭窄が痛みや痺れの原因だと信じるのは当然です。

しかし、私は必ずしもその様には考えません。MRIで狭窄が痛みや痺れの原因と判断するのは不十分だからです。

ここで、MRIについて患者さんがあまりご存知ない事実をお伝えします。

① 脊柱管が狭窄していても、痛みや痺れがない方はたくさんいます。 (←コレ重要です!)

② 狭窄症のような痛みや痺れがあっても、MRIを見ると異常が見つからないことがあります。

③ 手術で狭窄しているところを拡げても、痛みや痺れは良くなっていないケースがあります。

つまり、MRIに写る狭窄と痛みや痺れは一致しないことが多く、仮にMRIで狭窄が写ったり、症状と一致したりしても、それが痛みや痺れの原因とは言い切れないのです。

では、狭窄症でなければ痛みや痺れの本当の原因は何か?

一般的な整形外科ではあまり知られていませんが、脊柱管狭窄症と同じような症状を発症する病気に、関節機能障害という病気があります。

(*関節機能障害については、7月9日のブログをご覧下さい。)

私は脊柱管狭窄症が原因と診断された患者さんのなかに、実は関節機能障害が本当の原因の方が数多く含まれていると考えています。

MRIを見て脊柱管狭窄症と診断された方でも、関節機能障害を治療すると痛みや痺れが良くなる患者さんが数多くいらっしゃるためです。

関節機能障害を治療して、脊柱管が広がることはありません。それでも痛みや痺れが良くなった場合、脊柱管の狭窄はそのままなので、狭窄は痛みや痺れの原因では無かったということになります。

例えば下のMRIをご覧ください

            

この方は、足腰の痛みや痺れがあり前医では脊柱管狭窄症と診断されました。

左側のMRIは当院で関節機能障害を治療する前のものです。そして右側は関節機能障害を治療して痛みがよくなった後のものです。

よくなった後も、脊柱管は狭いままであることがお分かり頂けるでしょう。

つまり、痛みの原因は脊柱管の狭窄ではなく、関節機能障害であったのです。

関節機能障害が原因であれば、手術で狭い脊柱管を拡げても、痛みや痺れはよくなりません。

なぜなら、狭窄が原因ではないからです。

このように、脊柱管狭窄症と診断されても、関節機能障害を治療してみないと狭窄が原因か?それとも関節機能障害が原因か?が分からないのです。

では、なぜ整形外科では脊柱管狭窄症と診断するのでしょう?

それは、一般的な整形外科医に関節機能障害という病気が広く知られていないためです。

レントゲンやMRIは目で見て理解できる一方、関節機能障害は見ても分かりません。訓練した者が手先の感覚でのみで把握できるため、なかなか多くの方には伝わりにくいこともあるでしょう。

また、診断には関節機能障害を治療することが必要です。しかし、一般的な整形外科にはその手段がありません。

そのため、関節機能障害に該当する患者さんも脊柱管狭窄症と診断されています。

治療は診断に基づいて行われます。診断を誤ると治療は的外れになり、良くなることは期待できません。

前医で脊柱管狭窄症と診断された方の場合、関節機能障害との鑑別は重要です。

そして、本当に脊柱管の狭窄が原因か?関節機能障害が原因か?を見極めたうえで、それぞれに対して治療する必要があるでしょう。

望クリニックでは痛みや痺れの診断も兼ねて、関節機能障害を治療するAKA-博田法を行なっています。

AKA-博田法で一定期間治療することで症状が改善すれば、MRIに写る脊柱管の狭窄とは関係なく、その症状は関節機能障害が原因です。

            

私の経験では、脊柱管狭窄症と診断される足腰の痛みや痺れのなかで最も多いのは、狭窄によるものではなく、関節機能障害によるものです。

特に、以下のような傾向がある場合は関節機能障害が疑われます。

・症状の程度や部位が日時により変わる。

・疲れると症状が酷くなる。

・風呂などで温めると緩和する。


狭窄症と診断され手術を勧められている方へ:その痛みや痺れの原因は関節機能障害が原因の可能性があります。手術の前にAKA-博田法を受診することをオススメいたします。AKA-博田法で良くなり、手術をせずに済むことが多々あります。

狭窄症の手術をしたけど、良くなっていない方へ:手術をしても良くならないと、他に何をすべきか分からずにあきらめてしまう方もいらっしゃいます。

しかし、手術をしても良くならない場合、痛みや痺れの原因は狭窄ではなく、関節機能障害であった可能性があります。

AKA-博田法を受診してみると良いでしょう。

★まれに、AKA‐博田法で関節機能障害を治療しても痛みや痺れが改善しない方がいらっしゃいます。この場合、関節機能障害が原因ではなく、本当に脊柱管の狭窄が原因の可能性があります。この場合、当院では手術も視野に入れ、手術実績の豊富な病院を紹介するようにしております。

★特に排尿障害がある場合は、AKA-博田法ではなく手術が適応なことがあります。

★You Tube関連動画

(1) 【腰部脊柱管狭窄症】腰部脊柱管狭窄症と整形外科で診断された50歳代女性の場合 – YouTube

(2) 【腰部脊柱管狭窄症】腰部脊柱管狭窄症と整形外科で診断された70歳代女性の場合 – YouTube