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AKA-博田法は、股関節の痛みにも効果があります

色々と忙しく、更新遅れて申し訳ありませんでした。

これまで腰痛の患者さんについて書いてきました 今回は 趣向を変えて 股関節の痛みについてです。

当院には、股関節の痛みで困っているという方もよくいらっしゃいます。

病名で多いのは、変形性股関節症、臼蓋形成不全あたりでしょうか。

整形外科では以下のような流れで治療を受けてくる方が多いようです。

①:股関節の痛みに対して、まず痛み止めなどの薬物療法や筋力トレーニング、ストレッチのような簡単なリハビリを勧められる。

②:①の治療で良くならない場合、手術を勧められる。

私が大学病院の整形外科に勤務していた時も概ねこのような治療でした。

それに対して私は、次のような疑問を持っていました

手術以外の治療は、痛み止めと簡単なリハビリだけでなくもっとしっかりやらないといけないのではないかという事

そもそも、なんでそんな簡単に手術を勧めるんだろうかという事です。

そんな事を疑問に思いながらも整形外科で研修していたのですが、ある時気づいたのです。

それは、股関節専門の医師は、股関節の手術が専門である。手術以外の治療を専門にする医師はほぼいない。股関節の有名な先生になればなるほど、手術に特化してくる。

ということです。

その為、股関節専門の外来では次のような会話が日常茶飯事です。

股関節の専門外来にて、医師に「手術しますか?」と言われ、それを断ると「手術する気になったらまた来てね」と言われ、痛み止めをもらって帰る。

このブログを読んでいる方にもこのような経験があるのではないでしょうか

また患者さんと医師の股関節の治療に対する、考え方にも温度差があると思ってます。

 患者さんの希望は、なるべく手術をしたくない。その為に、整形外科に通院するのですが治療をする整形外科医側は、股関節の患者さんは痛み止め等や簡単なリハビリで様子をみて、ダメなら手術すればいいや、という考えを持っている事が多い。

何となく股関節の痛みで困っている方は、似たような事は感じでいるのではないでしょうか

じゃあ手術になりたくない場合、股関節の治療をどうすればいいのかという事になると思います。

私は、整形外科が外来で簡単にすませるレベルでない、専門的な運動療法を受ける事が大事だと考えています。(運動療法を専門にするのは、リハビリ科の医師や理学療法士なので、そういう意味でも整形外科医に手術以外の治療法を希望するのはお門違いなのだと思います。)

股関節の痛みは、きちんとした運動療法を受ける事で改善される場合が多いと私は考えております。勿論、かなり進行した変形性股関節症の場合は、手術した方がよいという事もあります。しかし、そもそもそのような患者さんのほとんどが痛み止めだけの治療で、まともな運動療法を受けておりません。変形の初期段階できちんとした運動療法を受けていれば、股関節の変形の進行を抑えられたのではないかと考えられます。

では、運動療法は具体的に何を受ければいいのでしょうか。

運動療法には色々な方法がありますが、私は、AKA-博田法を専門にしておりますので選択肢の一つとしてAKA-博田法は非常に有効だと考えております。このブログでは、次回以降、股関節の痛みに対するAKA-博田法のメリット、デメリットについて書いていこうと思っております。

次回、変形性股関節症とAKA-博田法

どんな時にAKA-博田法を受けるのがいいんですか?③自分の腰の痛みの原因を知りたい

自分の腰の痛みの原因についてもっと知りたいと思っている時にAKA-博田法は有効

以前ブログで、

レントゲンやMRIはあてにならないの回で

腰痛のおよそ85%は、医師の診察を受けて、レントゲンやMRI等の画像検査をしても原因不明であると書かさせていただきました。(この事は、整形外科の教科書にも記載されています)

これって、大変な事だと思います。

従来のレントゲンやMRIによる診断法で原因がわかる腰痛は15%ほどしかないという事ですから

ほとんどの方、特にこのブログを読んでらっしゃるような腰痛で困っている方にとって、従来のレントゲンやMRIによる検査だけでは不十分であると言えるのではないでしょうか。

その為、残りのおよそ85%の腰痛を診断する方法が必要になってきます。

以上の整形外科の現状をふまえて、私がおすすめする診断法がAKA-博田法です。

何故、AKA-博田法なのかといいますと

ここから先は、AKA-博田法を専門に行っている私の考えになり、一般的な整形外科の教科書にはのっていない事になります。

腰痛の原因のうち、仙腸関節の機能障害が非常に多く、非特異的腰痛の少なくとも80%

以上は、仙腸関節の機能障害が関係していると考えているからです。

腰痛の原因として、一番頻度が多いのに、そのほどんどが見逃されてしまっている仙腸関節の機能障害。これをAKA-博田法で調べる事が、なかなか治らない腰痛への有効な手段だと私は考えております。

腰痛で困っています。手術とAKA-博田法は、どちらを先にやるのがいいんですか?

私は、基本的にAKA-博田法を先に受けた方がよいと考えています。

AKA-博田法を先にやる事で腰痛が改善されれば、仙腸関節の機能障害と診断できるため、

手術を受ける必要がなくなるからです。

おすすめとしては、以下のような順序がよいかと思っております。

腰痛→AKA-博田法→腰痛の改善あり→仙腸関節の機能障害なので治療はAKA-博田法
→腰痛の改善なし→レントゲンやMRI等で神経障害を疑う所見あれば手術を検討する

手術をAKA-博田法の前にするのは、私はあまりおすすめではないと考えます。

前回のブログで書かさせていただいたように、手術はAKA-博田法に比べて体にかかる負担が大きいからです。

ただ、例外もあります。

腰の手術をAKA-博田法より先にやる事を検討した方がいいというケースは、以下の場合です。

明らかな筋力の低下や排尿障害の様な神経障害を疑う症状がある場合

この場合、緊急性が高いので注意が必要です。

どんな時にAKA-博田法を受けるのがいいんですか?② 腰の手術を考えている

腰の手術を考えている時、AKA-博田法を受ける事をお勧めします

これまでのブログでお話させて頂いたように、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア等、腰の神経が障害されて起こる症状と仙腸関節の機能障害の症状が似ている事が一番の理由ですがそれだけではありません。

AKA-博田法の特徴について腰の手術と比べたものを簡単に表にまとめてみました。


体にかかる負担治療の手間
AKA-博田法少ない 高齢者や病気を持っている方でも受けられる月に1,2回程度の通院が必要。
腰の手術全身麻酔、切開等大きい 高齢者や病気を持っている方はできないこともある入院が必要。 手術前の検査や診察等の通院も必要。

この表で私が言いたいことは

AKA-博田法は手術に比べ、入院する必要もなく、体にかかる負担も少ないという事です。

もちろん、AKA-博田法にもデメリットはあります。

どんな時にAKA-博田法を受けるのがいいんですか?①で書かさせていただいたようにAKA-博田法は行っている医療機関が少ない事が最大のデメリットです。

近くにAKA-博田法を行う医療機関がなければ、通院が大変になってしまいます。

多くの方にとっては、AKA-博田法を行っている病院よりAKA-博田法を行っている病院の方が身近にないという状態なのではないでしょうか。

次回は今回の内容をふまえて

AKA-博田法と手術をどちらを先にやった方がいいかについて書かさせて頂こうと思います。

どんな時にAKA-博田法を受けるのがいいんですか?①

前回、腰痛の約85%が原因不明である話をしました。

では、その85%の方はどうしようもないのでしょうか。

そうではありません。

そこで、必要になってくるのがAKA-博田法で関節の機能障害を診断する事です。

特に次の項目があてはまるような方は、AKA-博田法を受ける価値があるのではないでしょうか。

①これまで、レントゲンやMRIによる診断しか受けておらず、病名も医師に告げられている(腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、すべり症等)。

 しかし、それに対する治療を受けているのに良くなっていない。

②レントゲンやMRI等の検査をしてきたが、画像上で異常所見がなく、整形外科で原因がわからないと言われている。

※①は治療をうけていてもなかなか良くならない場合、診断が間違っている可能性が高い。

という意味になります。

もちろん、AKA-博田法は行っている医療機関が少ない為、レントゲンやMRIのようにすぐに受けられるというものではありません。また、整形外科の医師からもすすめられることも少ないと思います。

ですので、患者さんは自分でAKA-博田法を受けた方がいいかどうかを自分で判断する必要があります。

その判断材料を伝えていく事もこのブログの目的のひとつだと思っております。

レントゲンやMRIは、あてにならない⁉

整形外科に通院したことがある方はお分かりだと思いますが。

診断のためにまず行われる検査がレントゲンやMRI等の画像検査です。

この検査は正常の画像に比べて神経の通り道が狭くなっているだとか、骨が変形しているだとか画像上の異常をみつける事が目的です。

たしかに、画像上の異常を見つける事が大事な場合もあります。

骨折があったとか、悪性腫瘍があったとか。レントゲンやMRIをして本当によかったという例も時にはあります。

しかし、そのような事はけっして多くなく

画像上の異常所見が必ずしも痛みやしびれを反映するとは限らないという事も、最近わかってきています。

例えば、腰痛の場合およそ85%が原因不明と言う研究もあります。

もちろん、これは医師の診察を受けて、レントゲンやMRI等の画像検査をしたうえで、です。

これって、ものすごい多いと思いませんか?

10人の腰痛患者さんがいたら8~9人が本当は原因がわからないという事です

この様な状態ですから、腰の手術をうけたのに腰痛がよくならなかったという方が多い事は不思議な事でないのです。

関節の動きが悪くなると、どんな事が起こるの?

関節の動きが悪くなって、関節の機能が失われた状態を関節機能障害と言います。

関節の機能障害は、特に仙腸関節の様な動きの少ない関節に起こりやすく、

関節機能障害により起こってくる症状は主に以下の様なものがあります。

痛み、しびれ等の感覚異常、筋緊張(こわばってくる方が多いです)、運動障害。

この症状なにかとにてませんか?

そうです、神経の障害で起きてくる症状と関節の機能障害と起きてくる症状はかなり似ているのです。

この事が、腰の手術をしたのに良くならなかった

とか

いくつも整形外科をいって治らなかったのに、AKA-博田法をして良くなったという理由になってきます。(もちろん、その逆もあります。)

次回は、その事について書いていこうと思います。

腰痛は、診断と治療があってないと治らない

何を当たり前の事を言っているんだ、当然じゃないかと思われるのでないでしょうか・・

でも、その当たり前が整形外科的な痛みやしびれの場合、本当に難しいのです。

その理由が前回のブログで書かさせていただいた。

関節の機能障害と神経の障害によって起こる症状が似ているからになります。

例えば、お腹が痛いときは、内科で診断を受けます。

原因が胃炎なら胃薬を処方されますし、虫垂炎なら手術を受けます。

当たり前ですが、胃炎で虫垂炎の手術を受けたり、虫垂炎で胃薬を服用しても良くなりません。

それと同じように、腰痛の場合も

腰部脊柱管狭窄症の様な神経の障害が原因→治療は神経障害に対するもの、例えば手術

仙腸関節の関節機能障害が原因→治療は関節に対するもの、例えばAKA-博田法

ということになります。仙腸関節の機能障害に脊柱管狭窄症の手術をしても良くなることはないし、腰部脊柱管狭窄症にAKA-博田法をしても良くなることはないのです。

何が言いたいかと言いますと、

痛みとしびれの原因が関節の機能障害と神経の障害では治療が違う。その為、治療を受けているのになかなか良くならない場合は診断と治療があっていない可能性があるという事です。

前回のブログで、腰の手術をしたのに良くならなかった、いくつも整形外科をいって治らなかったのに、AKA-博田法をして良くなった患者さんの事を書きました。

表にあらわしますと、以下のようになります。

腰痛の原因治療
神経の障害、例えば  『脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、 すべり症等』手術で神経の障害が起きている部位を治療する
関節の機能障害、例えば 『仙腸関節の機能障害』AKA-博田法で関節の機能障害が起きている部位を治療する

この患者さんは、『痛みの原因が、関節の機能障害が痛みの原因であったのに、神経の障害に対する治療である手術を受けた為、残念ながら治らなかった』という事になります。

腰の手術をしたのに痛みやしびれがよくならなかったという方にはこのようなケースが私の経験上多いと感じております。

では何故、このような事が起きてしまうのでしょうか。

それにも理由があるのです。