変形性股関節症とAKA-博田法

変形性股関節症と整形外科で診断されて、望クリニックにAKA-博田法を受けに来ている方も非常に多いです。

患者さんの希望はだいたい以下にまとめられます。

①股関節の痛みを取りたい。

②股関節の変形が進行を抑えたい。将来的に手術になるのを防ぎたい。

③股関節の可動域を良くしたい

④変形をなおしたい。

①~④の全てをAKA-博田法により改善できれば良いのですが、

期待できること、できないことがあります。

分類すると次のようになります。

期待できること

①股関節の痛みをとりたい

②股関節の変形が進行するのを抑えたい。将来的に手術になるのを防ぎたい。

場合によっては、期待できるかもしれないこと

③股関節の可動域を良くしたい

期待できないこと

④股関節の変形をなおしたい。

個々について、もう少し詳しく説明させていただきます。

①の股関節の痛み

これについては、月に1,2回程度の頻度でAKA-博田法を3~6か月間程度行うと改善していく方が多いようです。ただし、どの程度よくなるかは股関節の変形の度合いに左右されます。

②股関節の変形が進行するのを抑えたい。将来的に手術になるのを防ぎたい。

これについては、AKA-博田法で股関節の痛みが改善されると、変形の進行が抑えられる方が多いようです。ただし、股関節の変形がある程度進んできている方は月に1,2回程度の定期的なAKA-博田法による治療が必要になってくる事が多いです。現在、望クリニックにはおよそ200人程度の変形性股関節症の方が手術になるのを防ぐ為に通院されております。

③股関節の可動域を良くしたい。

これについては、AKA-博田法を行う事により、股関節の可動域はある程度は改善し、歩行もよくなる事が多いです。ただし股関節の変形そのものは残りますので。変形が進行している方は、どうしても改善が困難になってきます。

④股関節の変形をなおしたい

これについては、AKA-博田法を受けても変形が治るという事はありません。そもそも、変形が治るという治療法は私の知る限りありません。

以上が変形性股関節症の方がAKA-博田法を受ける事で期待できること、期待できないことになります。

他によくある質問として

AKA-博田法を受ける事でどれくらいの割合で股関節の痛みが良くなるのですか?どれくらいのはやさでよくなるのですか?という事も聞かれます。

ただ、これに対する答えは非常に難しいです。なぜなら、股関節の変形の進行度により治療の難易度が変わってくるからです。

当たり前ですが股関節の変形が少ない方は、治りやすいですし、変形が進行してしまっている方は治りにくいです。

最後に私が変形性股関節症の患者さんをAKA-博田法で治療する際にお伝えしている内容がありますので記載いたします。

AKA-博田法が、変形性股関節症で困っている患者さんにとって有効かどうかを見極めるのに必要な治療回数はまず5回程度だと私は考えております。

1、2回目から簡単に良くなってくるような患者さんはおおまかに全体の三分の一程度いらっしゃいますが、痛みが楽になるのに時間がかかる方もいらっしゃいます。

治るスピードは股関節の変形の度合いやその方の職業、生活習慣などが密接に関係しますので、様々です。

治っていくスピードが速い人、遅い人、色々な方がいらっしゃいますが、AKA-博田法で良くなっていく方の多くは、5回の治療の中で症状の変化を実感する方がほとんどです。

かなり股関節の変形が進行されてしまっている方の中に、AKA-博田法の効果がでるまで5回以上かかる場合もありますが、その場合の治療は通常より難しいと考えられます。

5回の治療の中で、もし症状が変化してきて、股関節の痛みが楽になっていると実感されるようであれば、AKA-博田法が治療法としてその方にあっていると考えられます。

その場合、痛みどめを服用しなくてもよくなる方も多いです。

残念ながら変形の進行そのものをよくする事はできませんが、多くの方にこれ以上に変形が進行するのを抑える効果が期待できます。

(※ただし変形がある進行している方に場合は、1月に1,2回程度の定期的な通院が必要になります。)

前回のブログで書かさせて頂いたように、現在の股関節の専門医は変形性股関節症という病気において、変形した股関節を手術で人工関節等に置き換えるという事を得意としており、手術にならないように進行を抑えていこうという事は不得意である事が多いようです。その為、変形性股関節症の患者さんは専門的なリハビリテーション(運動療法)を受けてない方が多いようです。

もし、変形性股関節症による痛みで困っていて、将来的に手術になりたくないと考えているのであれば、5回程度AKA-博田法を試してみるのは悪くない選択肢だと私は思います。