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何故腰痛1つに様々な治療法があるのか?

こんにちは、望クリニック副院長・兼スガモ駅前整形外科院長 AKA-博田法指導医の住田憲祐です。

腰痛は国民病ともいわれ、悩んでいる方の多い病気の筆頭です。

世間には、腰痛という1つの病気に対し、たくさんの治療方法があります。

しかも、それぞれの方法で良くなっている方がいらっしゃいます。

何が正しい治療なのか? 

整形外科、整骨院、鍼灸、マッサージ、整体等々どこへ受診するかも様々です。

いろいろあり過ぎて、何処へ行って良いのかわからないという方もいらっしゃるようです。

腰痛はどの部分を問題と考えるかで、治療方法が異なります。

例えば、一般的な整形外科では、痛みや痺れは神経が障害されて起こると考えます。

そのため、鎮痛剤や神経ブロック、それでも改善しないと手術を勧めることがあります。

手術をすることで、神経への障害を取り除こうという考えです。

これに対して筋肉を治療することで改善を試みるのが、マッサージや指圧等です。

鍼灸治療はその効果が未解明の部分もありますが、その効果から、筋肉が緩んだり自律神経を安定させる効果があると思われます。

また、カイロプラグティックや整体については、骨格や椎間板の異常を問題視して治療することが多いようです。

いずれの治療でも患者さんが良くなればそれで良いでしょう。

問題は良くならない場合です。この場合、他の原因を考える必要があります。

 関節の治療 

望クリニックでは、筋肉の異常な収縮を痛みや痺れと感じているケースが多く、その異常な筋肉の収縮を引き起こす原因が関節にあると考えています。

(関節について詳しくはコチラ:関節機能障害について | 望クリニック (ameblo.jp)

そのため、治療対象は関節です(特に骨盤にある仙腸関節の機能障害は腰痛の根本原因になると考えています)。

関節の中の微細な動き(これを関節包内運動という)が異常を起こしている状態を関節機能障害と言い、この動きを滑らかにするのがAKA-博田法です。

関節を1つ1つ丁寧に治療していくため、「たくさんある関節のうち、どの関節の機能障害が痛みやシビレの原因であったか?」がわかります。

この点がAKA‐博田法の大きな特徴です。

神経や筋肉、骨や椎間板に対する治療で良くなっていない方は、関節の治療も試してみるとよいでしょう。

ぎっくり腰も仙腸関節が原因⁉

こんにちは、AKA-博田法指導医の住田憲祐です。

皆様のなかにぎっくり腰を経験された方はいらっしゃいますか?

あの痛みは強烈ですよね。

「普段の腰痛とは違う何かが起きているのでは?」と不安になった方もいらっしゃるでしょう。

では、ギックリ腰の原因は何でしょう?

日本整形外科学会のホームページによると、以下の様に分類できます。

①腰の中の動く部分(関節)や軟骨(椎間板)に許容以上の力がかかって怪我をしたような状態(捻挫、椎間板損傷)

②腰を支える筋肉やすじ(腱、靭帯)などの柔らかい組織(軟部組織)の損傷

③椎間板ヘルニアや中年以上では腰部脊柱管狭窄症などの病気(疾患)

④がんが転移して弱くなった背骨の骨折(病的骨折)や、ばい菌による背骨や軟骨(椎間板)の化膿など重大な原因が潜んでいる可能性

ギックリ腰は仙腸関節の捻挫 

これに対して望クリニックでは、ギックリ腰の多くは仙腸関節の捻挫のような状態と考えています。

重い物をもった時等の力が仙腸関節に加わり、仙腸関節の動きが悪くなったり、炎症を併発してしまうのです。

前記の①~④では①が近いかもしれませんね。

一般的な整形外科ではレントゲンやMRIで異常が無ければ、鎮痛剤やコルセットをして安静を勧めます。

これに対し、望クリニックでは、AKA-博田法で積極的に仙腸関節を治療していきます。

治療により、痛みが変化すれば、仙腸関節の機能障害が原因であると診断します。

慢性腰痛の方で、「長年にわたりギックリ腰を繰り返している方」や

「決まった時期にギックリ腰をする方」がいらっしゃいます。

仙腸関節の動きが悪くなり、慢性の炎症も起こしているため、痛みを繰り返すのです。

こういった方は、仙腸関節を治療すると痛みは良くなり、再発しにくくなります。

急性のギックリ腰も、多くは仙腸関節の機能障害が原因です。

仙腸関節に炎症がなく、動きが悪くなっているだけであれば、治療直後から痛みはかなり軽減します。

これに対し、怪我に近い急性の炎症がある場合、治療直後はやや痛みが軽減しても、その場ですっかり良くなることはありません。

しかし、治療しておくと仙腸関節の炎症が収まりやすくなり、痛みは徐々に収まっていきます。

つまり、関節を動かすことで炎症が収まり、痛みが良くなる状況を作ることが出来るのです。

なかには、ギックリ腰をした後に、治療をしなくても治ってしまったという方がいらっしゃいます。

これは、ギックリ腰をした時に動きが悪くなった仙腸関節が、自然に回復して良くなったのです。

しかし、偶然良くなっただけで、この様な対応はお勧めは出来ません。

 激痛は収まっても慢性化している方が多い 

治療をしていない方は、当初の強い痛みはおさまっても、時々無理をすると痛みが出たり、それ以降慢性化している場合が多いのです。

これは、受傷直後の強い仙腸関節の炎症は軽減したものの、完全には収まっていなかったり、動きが悪い状態が残っているためです。

また、ギックリ腰の多くは仙腸関節が原因ですが、なかには他の原因のこともあります。

思わぬ病気が潜んでいたなどということもあるため、他の疾患の可能性を考えつつ、AKA-博田法で慎重に診断し、治療する必要があります。