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ぎっくり腰も仙腸関節が原因⁉

こんにちは、AKA-博田法指導医の住田憲祐です。

皆様のなかにぎっくり腰を経験された方はいらっしゃいますか?

あの痛みは強烈ですよね。

「普段の腰痛とは違う何かが起きているのでは?」と不安になった方もいらっしゃるでしょう。

では、ギックリ腰の原因は何でしょう?

日本整形外科学会のホームページによると、以下の様に分類できます。

①腰の中の動く部分(関節)や軟骨(椎間板)に許容以上の力がかかって怪我をしたような状態(捻挫、椎間板損傷)

②腰を支える筋肉やすじ(腱、靭帯)などの柔らかい組織(軟部組織)の損傷

③椎間板ヘルニアや中年以上では腰部脊柱管狭窄症などの病気(疾患)

④がんが転移して弱くなった背骨の骨折(病的骨折)や、ばい菌による背骨や軟骨(椎間板)の化膿など重大な原因が潜んでいる可能性

ギックリ腰は仙腸関節の捻挫 

これに対して望クリニックでは、ギックリ腰の多くは仙腸関節の捻挫のような状態と考えています。

重い物をもった時等の力が仙腸関節に加わり、仙腸関節の動きが悪くなったり、炎症を併発してしまうのです。

前記の①~④では①が近いかもしれませんね。

一般的な整形外科ではレントゲンやMRIで異常が無ければ、鎮痛剤やコルセットをして安静を勧めます。

これに対し、望クリニックでは、AKA-博田法で積極的に仙腸関節を治療していきます。

治療により、痛みが変化すれば、仙腸関節の機能障害が原因であると診断します。

慢性腰痛の方で、「長年にわたりギックリ腰を繰り返している方」や

「決まった時期にギックリ腰をする方」がいらっしゃいます。

仙腸関節の動きが悪くなり、慢性の炎症も起こしているため、痛みを繰り返すのです。

こういった方は、仙腸関節を治療すると痛みは良くなり、再発しにくくなります。

急性のギックリ腰も、多くは仙腸関節の機能障害が原因です。

仙腸関節に炎症がなく、動きが悪くなっているだけであれば、治療直後から痛みはかなり軽減します。

これに対し、怪我に近い急性の炎症がある場合、治療直後はやや痛みが軽減しても、その場ですっかり良くなることはありません。

しかし、治療しておくと仙腸関節の炎症が収まりやすくなり、痛みは徐々に収まっていきます。

つまり、関節を動かすことで炎症が収まり、痛みが良くなる状況を作ることが出来るのです。

なかには、ギックリ腰をした後に、治療をしなくても治ってしまったという方がいらっしゃいます。

これは、ギックリ腰をした時に動きが悪くなった仙腸関節が、自然に回復して良くなったのです。

しかし、偶然良くなっただけで、この様な対応はお勧めは出来ません。

 激痛は収まっても慢性化している方が多い 

治療をしていない方は、当初の強い痛みはおさまっても、時々無理をすると痛みが出たり、それ以降慢性化している場合が多いのです。

これは、受傷直後の強い仙腸関節の炎症は軽減したものの、完全には収まっていなかったり、動きが悪い状態が残っているためです。

また、ギックリ腰の多くは仙腸関節が原因ですが、なかには他の原因のこともあります。

思わぬ病気が潜んでいたなどということもあるため、他の疾患の可能性を考えつつ、AKA-博田法で慎重に診断し、治療する必要があります。

腰のコルセットについて

こんにちは、望クリニック副院長・AKA‐博田法指導医の住田憲祐です。

今回は、日々の診療で受けるご質問、「腰痛にコルセットはした方がいいの?」についてお話致します。

腰痛患者さんのなかには有効な治療法に出会えないまま、対症療法としてコルセットを使っている方は少なくありません。
問題は慢性的に腰痛を患っていて、コルセットを手放せなくなっている方です。

コルセットに対する考え方も、一般的な整形外科とAKA-博田法では異なることがあるためご注意下さい。

 コルセットとは? 
腰のコルセットのことを、正式には腰部固定帯といいます。

一般的には腰のサポーターとして知られています。
腰に巻くことで腹圧を上げ、脊柱や椎間板への負担を減らします。
これにより、痛む部位を安静に保ち、鎮痛を目的とします。
また、装着することで動きを制限し、痛みを起こさないようにします。

 どういう方が使っているの? 
一般的には、急性、慢性に関わらず腰痛の方に使用します。

特にギックリ腰などで痛みが強い場合や、慢性腰痛でも、コルセットをすると楽になる場合がそうです。
なかには、以前腰痛になって以降、なんとなく外せずに着用している方もいらっしゃいます。
当初は医師の勧めで使い始め、年月が経つと、ほとんどの方は自己判断で使っているようです。

 コルセットはいつになったら外すの? 
一般的には痛みの状況により判断します。
痛みが緩和してきたら、限定的な使用に変えていき、痛くなくなれば各自の判断で外していきます。

 治療期間中にコルセットは必要? 
ここからはAKA-博田法の視点を交えてお答えします。
整形外科において、コルセットが勧められる腰痛の多くは仙腸関節の機能障害が原因です。

この場合、コルセットをすることなく、『治療+安静』で治すのが良いでしょう。
しかし、痛みが強く、コルセットをしないと日常生活に支障を来す場合は、使用もやむをえないと考えています。


私がコルセットの使用を積極的勧めないのは、コルセットをして痛みが緩和しても、痛みの震源地である仙腸関節は治っていないためです。
また、コルセットをして痛みが緩和すると、活動量が増えて安静ではなくなります。
これにより、仙腸関節への負担は増し、かえって痛みが長引いてしまうこともあります。

 コルセットだけでは不十分! 
コルセットをしていても慢性的に痛むのは、しっかり治療していないからです。
コルセットを勧められるような腰痛の多くは仙腸関節の機能障害が原因です。

対症療法でその場しのぎを続けるのではなく、まずはこれを治療すると良いでしょう。

 コルセットは予防として有効か? 
予防としての意味はないと考えます。
仙腸関節の機能障害による腰痛の場合、予防として有効なのは、仙腸関節の機能障害を防ぐものです。
しかし、コルセットにその様な機能はないためです。

 筋力低下は起こる? 
一般的に長期間使用すると、筋力低下をもたらすと言われているようですが、必ずしもそうとは言えません。
 

以上が日々の診療でよく聞かれるものです。

さらにご質問があれば次回の受診時にお尋ねください!