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「安静にしていると筋力が弱り動けなくなる」「筋力が弱くなると痛くなる」と思っている方へ

こんにちは、望クリニック副院長・AKA-博田法指導医の住田憲祐です。

ご高齢の患者さんから、

「筋力を鍛えないといけないの?」

「筋力が弱ったから痛くなったの?」

「安静にしていると筋力が弱って動けなくなるのでは?」

このようなご質問が多くあります。

数あるご質問のなかでも、筋力低下に関するものは、最も多いかもしれません。

TV番組等でも、健康を維持するために積極的な運動を推奨しています。

そのため、筋力トレーニング、ストレッチ体操等の運動には良いイメージを持つ方が多いのでしょう。

筋力が強ければ大丈夫!

逆に、「安静→筋力低下→動けなくなる、痛くなる」と考えてしまうようです。

では、筋力の強いスポーツ選手に痛みに困っている方が多いのは何故でしょう?

それは筋力が強くても、痛みの治療や予防にはならないためです。

特に痛みやシビレがなければ運動は健康にとって良い面もあるため、無理のない範囲で行うと良いでしょう。

痛みやシビレがある方でも、運動をすると一時的に症状が緩和するという患者さんもいらっしゃいます。

整形外科的な痛みやシビレは、筋肉の異常な収縮(緊張)を症状として感じていることが多いため、運動をして筋肉が一時的に緩むと楽になることがあるためです。

しかし、一時的に楽になってもしばらくすると再発し、慢性化する場合があります。

これは痛みの根本原因である仙腸関節の状態は良くなっていないためです。

なかには、運動と再発を繰り返すうちに徐々に悪化することもあります。

特に望クリニックの患者さんのように、いろんな治療を受けて良くなっていない方はそうです。

筋力が弱くなったから痛いのではないため、あえて鍛える必要はありません

また、痛みを避けて安静にしていても、それなりに普通の生活をしていれば、筋力が弱って動けなくなったり、身体が固まるといったこともありません

歩けなくなる原因は筋力低下ではなく、痛みやシビレをしっかりと治さないでいることによる方がずっと多いのです。

痛みやシビレの原因には様々な病気がありますが、見逃されやすく、かつ多いものとして、仙腸関節の機能障害があげられます

これに対しては、仙腸関節を治療することが必要です。

私が筋力トレーニングをおススメしないのは、筋力トレーニング自体が仙腸関節への負担となり、症状を悪化させる可能性があるためです。

痛みやシビレの治療中は、筋力トレーニングよりも仙腸関節の安静を優先するようにおススメします。

★You Tube 関連動画

 【腰の痛い方がストレッチをするとかえって治らない場合があります】

https://www.youtube.com/watch?v=-zlKFrDV5r8

腰が痛くても、筋力トレーニングはした方がいい?

こんにちは、望クリニック、AKA-博田法指導医住田憲祐です。

日々、診療していると、腰痛が腹筋や背筋、体幹の筋肉を鍛える筋力トレーニングで改善すると考える患者さんが多い事がわかります。

しかし、腰痛に対して一生けん命に筋力トレーニングしているのに改善しないどころか悪化してしまったという方も少なくありません

なぜそのような事が起こるのでしょうか。今回は、腰痛と筋力トレーニングの関係について、腰痛が改善しない理由を関節包内運動の見地からお話ししようと思います。

テレビの健康番組でも、腰痛に対して筋肉を鍛えることを勧めることがあります。

専門家である整形外科医が勧める事もあり、患者さんがその様に考えることは当然だと思います。筋力トレーニングを勧める理由は、主に2つです。

腹筋と背筋のバランスが悪くなると腰椎の湾曲が強くなり、腰にかかる負担が大きくなる。

また、腹筋背筋の筋力が低下すると腰にかかる負担が大きくなるという考えです。

現に、筋力トレーニングをすると腰痛が軽減することもあります。軽症の方で、良くなってしまえばそれで良いのかもしれません。

しかし、筋力トレーニングをしても良くなっていかない方はどうすればよいのでしょうか。痛くても無理をして腹筋、背筋をするのが本当によいのでしょうか

腰痛に良いとされる腹筋、背筋体操などの筋力トレーニングをすると、筋肉は動かしたことで、一時的に緩みほぐれた状態になります。

軽症で腰回りの筋肉が硬く緊張している状態を腰の痛みとして感じている方は、腹筋背筋に限らず運動をする位でも腰痛が和らぐことがあるようです。

しかし、筋力トレーニングをしてもなかなか痛みが引かない方や、かえって痛みがつよくなってしまったという方の場合は、そう簡単にはいきません。腰回りの筋肉の異常な緊張を引き起こす原因をきちんと見極める必要があります

私が専門で行なっているAKA-博田法では、筋肉の緊張を引き起こす原因は、骨盤にある仙腸関節の関節内部の動きが悪くなっている事だと考えています。

仙腸関節は骨盤の真ん中にあり、体を動かすときに負担がかかりやすい関節です。

腹筋や背筋等の筋力トレーニングは、仙腸関節に負担をかけ、関節に炎症を引き起こしてしまい、仙腸関節の関節内部の動きを悪くしてしまう事があるようです。

通常、このような現象は、仙腸関節に異常がない方であれば、腹筋、背筋等の筋力トレーニングや運動をしてもこのような事はめったに起こりません。

注意が必要なのは、仙腸関節の関節内部の動きが悪くなっている方です。その場合、一生懸命に腰痛を治そうと腹筋や背筋などの筋力トレーニングや運動をやればやるほど仙腸関節の炎症が強くなり、腰の痛みが強くなっていく傾向にあるようです

仙腸関節の関節内部の動きが悪くなっている状態を関節の機能障害と言います。

仙腸関節の機能障害が腰痛の原因である場合、治療は仙腸関節の関節機能障害の治療が最優先になります。治療方法は、私はAKA-博田法を使っています。筋力トレーニングは仙腸関節の関節機能障害が改善した後、患者さんの状態をみて必要であれば、お勧めします。

まとめ

腹筋や背筋などの筋力トレーニングをしているのにかえって、腰痛が悪化しているという場合、筋肉の異常な緊張を引き起こす原因として仙腸関節の機能障害が関係している事があります。

仙腸関節の機能障害が腰痛の原因の場合、治療は仙腸関節の治療をすることが、筋力トレーニングよりも優先になります。

筋力トレーニングは仙腸関節に負担をかけてしまう為、AKA-博田法等で仙腸関節の関節機能障害がよくなってから必要に応じてする事がおすすめです。