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腰のコルセットについて

こんにちは、望クリニック副院長・AKA‐博田法指導医の住田憲祐です。

今回は、日々の診療で受けるご質問、「腰痛にコルセットはした方がいいの?」についてお話致します。

腰痛患者さんのなかには有効な治療法に出会えないまま、対症療法としてコルセットを使っている方は少なくありません。
問題は慢性的に腰痛を患っていて、コルセットを手放せなくなっている方です。

コルセットに対する考え方も、一般的な整形外科とAKA-博田法では異なることがあるためご注意下さい。

 コルセットとは? 
腰のコルセットのことを、正式には腰部固定帯といいます。

一般的には腰のサポーターとして知られています。
腰に巻くことで腹圧を上げ、脊柱や椎間板への負担を減らします。
これにより、痛む部位を安静に保ち、鎮痛を目的とします。
また、装着することで動きを制限し、痛みを起こさないようにします。

 どういう方が使っているの? 
一般的には、急性、慢性に関わらず腰痛の方に使用します。

特にギックリ腰などで痛みが強い場合や、慢性腰痛でも、コルセットをすると楽になる場合がそうです。
なかには、以前腰痛になって以降、なんとなく外せずに着用している方もいらっしゃいます。
当初は医師の勧めで使い始め、年月が経つと、ほとんどの方は自己判断で使っているようです。

 コルセットはいつになったら外すの? 
一般的には痛みの状況により判断します。
痛みが緩和してきたら、限定的な使用に変えていき、痛くなくなれば各自の判断で外していきます。

 治療期間中にコルセットは必要? 
ここからはAKA-博田法の視点を交えてお答えします。
整形外科において、コルセットが勧められる腰痛の多くは仙腸関節の機能障害が原因です。

この場合、コルセットをすることなく、『治療+安静』で治すのが良いでしょう。
しかし、痛みが強く、コルセットをしないと日常生活に支障を来す場合は、使用もやむをえないと考えています。


私がコルセットの使用を積極的勧めないのは、コルセットをして痛みが緩和しても、痛みの震源地である仙腸関節は治っていないためです。
また、コルセットをして痛みが緩和すると、活動量が増えて安静ではなくなります。
これにより、仙腸関節への負担は増し、かえって痛みが長引いてしまうこともあります。

 コルセットだけでは不十分! 
コルセットをしていても慢性的に痛むのは、しっかり治療していないからです。
コルセットを勧められるような腰痛の多くは仙腸関節の機能障害が原因です。

対症療法でその場しのぎを続けるのではなく、まずはこれを治療すると良いでしょう。

 コルセットは予防として有効か? 
予防としての意味はないと考えます。
仙腸関節の機能障害による腰痛の場合、予防として有効なのは、仙腸関節の機能障害を防ぐものです。
しかし、コルセットにその様な機能はないためです。

 筋力低下は起こる? 
一般的に長期間使用すると、筋力低下をもたらすと言われているようですが、必ずしもそうとは言えません。
 

以上が日々の診療でよく聞かれるものです。

さらにご質問があれば次回の受診時にお尋ねください!