肩こり
2019年、厚生労働省発表の国民生活基礎調査によると、様々な身体の不調による症状のうち、女性で最も多い症状は肩こりです。男性の場合は、腰痛に次いで2番目に多い症状です。
<小林製薬 2016年 ビジネスマンの肩こり実態調査>(注1)では、
肩こりを訴えるビジネスマンを”肩コリーマン”と称して20~50代、合計412人のビジネスマンの意識、実態を調査しています。
これによると、肩こりを「全く感じていない」と回答したのは、わずか5.6%とかなり多くの方が肩こりを感じているようです。
肩こりだけでなく、首や目の症状や、30%前後の方は腰や背中にも症状があるそうです。
また、1週間のうちでも常に肩こりを感じる方が31.9%もいるのです。
この調査によると、最も酷くなるのは、木曜日の16~17時だそうです。
これだけ多くの方がお困りの肩こりですが、その治療については、
7割以上の方が自分の肩こりケアに満足していないそうです。
このように、肩こりもまた国民病といえるでしょう。
整形外科へ行くと、まずレントゲンを撮り、重大な病気が隠れていないかを確認します。
異常が指摘される場合、高齢者では頸椎が変形している変形性頸椎症、若い方だと頸椎が真っ直ぐになっているストレートネックと言われる方が多いようです。
なかには異常が見つからず、なで肩や筋力不足、運動不足を指摘されることもあります。
治療はリハビリや体操を勧められたり、筋肉を緩める薬が処方されたりします。
いずれにせよ、こっている筋肉を緩めることを目的にします。
一方で、肩こりは病気と考えず、病院には行かない方も少なくありません。
マッサージや整体、鍼治療などを受けている方、ご自分でストレッチ体操などをしたり、お風呂にゆっくり入ったりすることで対処している方もいらっしゃるようです。
腰や膝、股関節の痛みが高齢者に多いのに対し、肩こりは若い年齢層の方にも多く見られるのも特徴です。
すでにお悩みの方はお分かりの通り、肩こりは肩周辺の筋肉の異常な収縮を「肩こり」として感じています。
そのため、多くの対処法はそれを緩める方法です。
これらの方法で良くなっていれば良いでしょう。
しかし、この調査にもあるように、7割以上の方が肩こりのケアに満足していなのも事実です。
その理由として、一旦治ってもすぐこってしまうため(45.5%)が挙げられています。
望クリニックが専門で行っているAKA-博田法でも、肩こりは首や肩の周囲にある筋肉が異常に収縮して硬くなった状態と考えます。
他の治療方法と異なるのは、何が原因で首肩の筋肉は硬くなっているか?です。
AKA-博田法では、仙腸関節の動きが悪くなったり炎症を起こしたりしたこと(これを関節機能障害という(注2))で、首や肩の周りの筋肉が異常に収縮していると考えます。仙腸関節が機能障害を起こすことで、腰の周囲から出た筋肉を伝わり、首や肩にも筋肉の収縮。。。。
つまり、首や肩のこりの根本の原因は仙腸関節にあるという考えです。
肩こりに悩む患者さんに、「こりの原因は仙腸関節の機能障害です」とお話ししても、仙腸関節と肩こりが関係あるとは思えずなかなか信じて頂けません。
しかし、仙腸関節の機能障害をしっかり治療したうえで、首や肩の関節を治療すると、首肩周囲だけを治療するより良くなることが多いのです。
なかには、仙腸関節を治療すると、肩周囲は治療しなくても、こりが良くなることもあります。
では、変形性頸椎症やストレートネックといわれた方の場合はどうでしょう?
これらが肩こりの本当の原因であれば、治ることはないでしょう。なぜなら、頸椎の変形や真っ直ぐになった頸椎が治ることは無いためです。
しかし、私の経験では、これらがこりの原因であることはほぼありません。
変形性頸椎症やストレートネックと診断された方も、AKA-博田法で治療すると、頸椎の形はそのままでもこりは多くの方は良くなるためです。
首や肩こりがなかなか治らずに、お困り方は、より根本的な原因である仙腸関節から治療してみるのも良いでしょう。
(注1)詳しくは↓をご覧下さい。
https://www.kobayashi.co.jp/corporate/news/2016/160623_02/index.html
(注2)関節機能障害については7月9日のブログ↓、関節機能障害について をご覧下さい。